なんと20年ぶりに行って来たそこは・・・・
カステルセプリオの考古学遺跡地域。
2011年に”イタリアのロンゴバルド族ー権勢の足跡”の7箇所の中のひとつとして登録されました。
私が以前にここを訪れたのは、20年も前のこと。
”北イタリアのロマネスクの教会をめぐる旅”と言う大変コアなオーガナイズツアーのスルーガイドとして。
あのとき、一番感動したのが、このカステルセプリオのミステリアスなフレスコ画と
そしてチヴァーテの聖ピエトロ・アル・モンテのフレスコ画(ヘリで行ったんですよー)。
さて、これはサンタマリアフォリスポルタス↓
最近の調査では、アプシスのレンガは9世紀初頭のもの、と言う説が一番信憑性が高いらしい。
後姿が美しい。しかし、実は正面からも撮ったのだが、自分の指が入っちゃって、恥ずかしくてアップできません。
相変わらずどんくさい。
仕事しながらだから、ちょこっと急いで写真撮っただけなので、あまり上手く撮れていませんが、
これが感動的な、全能者キリスト。微妙な影と威厳溢れる表情は印象深く、感動的です。
これが20年前にものすごいインパクトだったので、ずっと忘れることができませんでした。
これ↑はヤコブ原福音書からの大変貴重なシーン。”助産婦の試練”?この場面をテーマにしたフレスコははじめて見ました。
とにかく謎、謎に包まれているこの一連のフレスコ画。
世界中で議論されたのが、時代設定。古いものでは5世紀説から10世紀説まで色々です。
そして作者。謎なんですが、やはり、少し、ビザンチンか、ギリシャの、つまり”東の画家”説が有力
ちなみにサンタマリアフォリスポルタスは、フオリポルタ、つまりは城壁の外だったってことです。
もうちょっと時間があれば、考古学遺跡のカストルムの跡をもっとじっくり見たかった。
こりゃあ、また次回自力で行くしかないか?公共の列車とバス使って来れるみたいだけど、
面倒だから、そうですね、レンタカー借りたら、ミラノから一時間くらいでしょうか。
そして次はコッレジャータ!(司教さんが居ない参事会聖堂)
実は今回は最初にこのカスティリオーネ・オローナのコッレジャータに行って、
その村の素敵なレストランでランチを取って、それから午後、カステルセプリオに向ったのですが、
ついつい先にカステルセプリオを書いてしまいましたので、このブログは逆行しております。
ランチ場所も必須ですね。
カスティリオーネ・オローナの中心部、Borgoと呼ばれる村。人口なんて200から300人と言う古い町並み。
こーんな素敵なレストランなんですが、お値段はミラノとは比べ物にならないくらいお安い^^
しかし、時間に追われる中で田舎の素敵なレストランに入ってはいけません。
ちょっといいレストランと言うのは、時間にも気持ちにもゆとりのある人が入るものなので、
まあ、2時間以内ならかかってもいいよん、と言う気持ちでゆったり入りましょう。
でなければ、その辺でサンドイッチ、をお勧めします。
さて、コッレジャータなのですが、ちょっと坂を上っていきます。
これを潜り抜けて左へ。
もうちょっと歩くと・・・
近くてこれしか撮れていない。なんせ仕事中なもんで、そんな写真撮るのに夢中になってられない。
スタイルは典型的なロンバルディアゴシック様式。まあ、つまりはゴシックの衣を着たロマネスクっす。
こちら↑でチケットを買います。チケットは6ユーロで、写真撮影料金は6ユーロ。
計12ユーロと言う高級料金ですが、しかし、まあ、マゾリーノのフレスコ画が美しすぎるので、
やはりここは写真を撮っておきたいもの・・・・
マゾリーノと言うと、なんだかマザッチョより劣ったマザッチョのお師匠さんとも言われていますが、
最近はお師匠さんではなく、単なる共同制作者であったと言うのが有力的だそうな。
もちろんマザッチョはすごかった!けれども、マゾリーノも負けずに美しい。
天井はマゾリーノ作
壁画はそれぞれ、ロレンツォ・ディ・ピエトロとスキャヴォと言う画家のフレスコ画。
教会内はこんな感じ。
そしてメインの洗礼堂へ・・・・
これはもう、その色の美しさにため息が出てしまうのですが・・・・
北の方角に当たる、左側半分の建物の保存状態が良くなかったことから、
フレスコも剥げちゃって、それがとにかく残念で残念で・・・・
このキリストの洗礼。水の色!
そしてこの目もくらむような遠近法。ブルネッレスキの作品に影響されたと言われる。
もともとマゾリーノは金細工師で彫刻家であったらしい。
このちょこっとルネッサンスのエッセンスがほんのり香る、後期ゴシックのフレスコの美しさに酔ってしまったのでした・・・・。
美しいものを見ると、本当に心が洗われますね。
そして今回はとある美術の先生とご一緒できたので、仕事とは言えども、先生の解説まで聞けて、
なんだかお得で、素敵な一日を過ごしてきました!
先生、また是非、コアな旅を作って、私をお手伝いに呼んでくれることを祈っています。
カスティリオーネ・オローナの様な小さな町にこれだけ質の高い美術作品があるところが、イタリアの文化の底力を見せつけられる様な気がします。
返信削除カスティリオーネ・オローナの様な小さな町にこれだけ質の高い美術作品があるところが、イタリアの文化の底力を見せつけられる様な気がします。
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