2016年9月7日水曜日

ミラノのトレンディ・スポットその1 ローッサーナ・オルランディ・ギャラリー

9月に入りまして、ほぼ、八分ほどでしょうか?ミラネーゼたちが戻ってまいりました。

本格的には、新学年が始まる来週からでしょうね。

あの8月の静けさも、最中は寂しいと感じるのですが、いざ人が戻ってくると、静けさが懐かしい。

まあ、それでも、寂しいのが嫌いな私は、たくさんの人が戻って来てくれた方が嬉しいかな?

皆真っ黒。で、いかに黒いかを競い合う。

おいおい、それは危険じゃないのかね?と思うくらいどす黒い人も居る。

昨年は私も久しぶりに海。ギリシャはロードス島に一週間。結構日焼けしましたから、

帰ってきてからのイタリア男たちの熱い視線が痛かったです。(別にイタ男にもてたくないし)

どんだけ黒いのが好きなのか・・・・。国民性ですね。


7月8月は嬉しい悲鳴で、おそらく、同僚たちが何人も夏休みで日本に帰国していたりしたこともあり、

お仕事が大変忙しいかったです。

とくに夏休み中、ご家族とか、個人のお客さまも多く、楽しませていただきました。

私はとにかく、お仕事の中では自分も一緒に楽しんでしまうことにしているのです。

自分が楽しくなければ、お客様を楽しませることなんかできない、と言うのが私の持論であります。

グループのツアーの半日観光だとなかなかお客様たちと仲良くなれないままお別れですが、

個人のお客様とはお話する時間が長いので、仲良くなれたりします。

ちょうど、とある大学の建築学科の生徒を含めた学生ツアーで、なんとミラノ3日間びっちり見学、

と言うちょっと特殊なツアーを任され、急だったこともあり、大変だったけれども、

なかなか楽しかったです。子どもたちは可愛かったし。

ところで、この仕事、毎日が終わりの無い勉強。

先月は、ミラノ中のコンテンポラリーアートミュージアムを巡ると言う、やはり3日間の特殊な任務も

こなしましたが、コンテンポラリーアートは苦手だなあと思っていましたが、

なかなかどうして。食わず嫌いは良くないものですね。興味深かったです。

と言うことで、今回はそのときに行った、

PAC、Fondazione Prada、Triennale Design Museumをご紹介しようかとも思ったのですが、

その前にとあるデザイン事務所のお客様に(逆に)連れて行ってもらった、ギャラリーを紹介します。

ロッサーナ・オルランディ・ギャラリーです。

Via Bandello 14/16 あの有名な最後の晩餐のあるサンタマリアデッレグラツイエ教会から徒歩10分。

もともとネクタイの工場だった建物を使って、2002年にオープンしました。

中にはショールームからショップ、そしてイベントが行われる中庭など・・・・。


まずこの入り口が素敵・・・・。


そして入ったところの中庭。ここで、デザインウィークとかにイベントやるんでしょうね。



そして中に飾ってあるものは皆売り物。



部屋によってアーティストが変わります。



すみません、写真下手で。古いGalaxyだし、仕事の合間に急いで撮ってるので。



このテーブルも素敵でした。



これって見たとおり、うずらの卵なんです。




ぶたっ



このテーブルは密かに欲しいと思ってしまいました。


二階に行ったときに、スマホのバッテリーが死んでしまい、写真が撮れませんでした・・・・。


最後の晩餐に行ったついでに是非足を伸ばしてみてください。

もちろん見るだけでも収獲なのですが、思わず欲しくなって買っちゃうかもしれませんよ^^




2016年5月21日土曜日

1900年初頭のミラノの大富豪の館ヴィッラ・ネッキ・カンピリオ

昨年の万博の忙しさに、自分自身すっかりブログの存在を忘れていましたが、

うって変わって暇な毎日に、慣れていないので、暇をどう使おうかとすっかり戸惑っていたのですが、

じゃあ、せっかくだから、復習も兼ねて、またミラノのよく知られていない素敵な場所を、

まったりアップしていこうかな?などと思いブログのページを開いてみました。


こちらは私の大好きな地域にある、私の大好きな場所、ヴィッラ・ネッキ・カンピリオです。

もちろんグループで行ったことはありませんが、私が個人的に好きなので、

たまに個人のお客様で、インテリアとか建築に興味のある方をご案内しています。

ミラノには”邸宅美術館”と呼ばれるところはいくつかありますが、その中でも私のお気に入り。




さて、"ネッキ"と言うと、イタリア人にとってはミシンの会社なのですが、

もちろん、この館の主も、その流れを組む”ネッキ”家の人間でしたが、

もともとネッキ家はミシンより先に、製鉄業の分野で1800年初頭から一財をなしたパヴィアの大富豪。

この館の主は、ネッダ(生涯未婚)とジジーナの姉妹と、ジジーナの夫、アンジェロ・カンピリオ。

建築家ポルタルッピは、なんとバジェット無し!と言う、建築家にとっては最高の条件で仕事を依頼されます。

ポルタルッピ?そんな人知らない、と日本の方は思うでしょうが、

実際に見ると、その洗練されたエレガントなモダンスタイルに皆感心されます。

しかし、ポルタルッピのスタイルがモダン過ぎたのか、女性にはちょっと不満だったようなのですね。

完成3年後にはなんと別の建築家、トマソ・ブッツイに依頼して、改築をさせます。

当時セレブ階級で流行っていたような1700年代のロココだったり、ロマンティックなスタイルを取り入れました。

ジジーナ夫婦には子どもはいませんでした。夫に先立たれたジジーナも1993年に亡くなり、

2001年に永眠した妹のネッダは邸宅を遺言でFAI(イタリア・ナショナル・トラスト)に託していきました。

そこから、FAIは60万ユーロかけて修復。2008年から一般公開されております。



・・・・・あらっ?正面の写真が見つからない・・・いきなりどんくさいですね。撮っていません。

とりあえず、プール。

これは、なんとミラノ発のプライベートのプールだったんだそうです!!しかも温水!



正面の写真はとあるところから拝借・・・・


エントランスも広くとってあり、ドアを開けると一階の全ての部屋が繋がる感じです。



こちらはダイニング。実は、予約すればここでパーティーをすることもできるんですよ!

私たちはネッダ・ジジーナ姉妹のお客様で、お家に遊びに来てるような錯覚に陥ります。



こちらは、ジジーナの旦那様、アンジェロの書斎。このデスクがまたすごいんです、なんと移動式。

つまり、戦場キャンプ用の机なんです!



ここは私の一番好きな場所"ベランダ"。邸宅の内部を周囲の自然と融合させた最高傑作。

ちなみに彼は奥のソファまでデザインしております。


こちらはベランダの日中版。ちょっと日本の”縁側”からインスピレーションを得たスタイルですね。



ポルタルッピは暖房カバーのデザインまでしているのです。



階段のところからエントランスを見るとこんな感じ。手すりのデザインにも注目。

実はエレベーターもあるんです!



二階に上がって右手には主たちのワードローブ、寝室、バスルームがあります。

これはネッダの寝室。


大理石のバスルームはまたすごいのです。もちろん、バスタブ+シャワールーム+トイレ+お化粧台。

姉妹の所有していたエレガントな帽子の数々、ブランドの特注のスカーフなども見ることができます。

姉妹はちょくちょくパリに出向いてお買い物していたそうです。



ジジーナ&アンジェロ夫妻の寝室



プリンスのバスルーム。姉妹は王族大好きで、交流を持っていました。

スカラ座の舞台デザイン画家だった、サヴォイア家の友人エンリコ・ダッシア用の客間のバスルーム。


プリンスの寝室。しかし、家具は、実は当時ここで使われていたものではありません。



こちらは実はもともとクローク係の寝室。クローク係はこの家の使用人たちの長だったので、

唯一主人と同じ階で眠ることが許されました。それ以外の使用人たちは屋根裏部屋。




こちらは、”プリンセスの寝室”なんですが、置かれている家具と美術品は当時使われていたものではありません。

ネッダの友人だったマリア・ガブリエラ・サヴォイアの客間。もちろんバスルームもあります。


ところで!!!

実はこの邸宅、とある映画の舞台として使われています。

ルカ・グアダニーノの映画、”ミラノ、愛に生きる”(なんてネーミングじゃ~・・・)

オリジナルタイトル”Io sono l'amore”(このタイトルも自体すごい・・・)

映画のあらすじは、ヒロインは”レッキ”家と言う大富豪に嫁いだロシア人。

あるとき、息子の友人と出会い、愛を知り・・・と言う、もちろん架空のストーリー。


ネッキの邸宅の魅力満載♪


そして・・・・・



ヴィッラ・ネッキはミラノの街のど真ん中、サンバビラ広場から徒歩7分ほど。

こんな街の真ん中にびっくりするほど、緑と静寂に包まれた高級住宅街です。



このあたりをちょっと散策するだけでも、個性的なアールヌーヴォーの邸宅が立ち並び、大変興味深いですよ~

庭でフラミンゴ買ってる邸宅もあるんですよ。



こーんな呼び鈴があったりして・・・・・。